切削加工.net

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MACHINING 切削加工について

設備の選び方

切削加工について

加工方法による判断

加工方法は切削加工以外にも、レーザー、板金、放電、研削等、いろいろありますが切削加工に絞って説明します。

切削加工を大きく分けると、旋削加工(ワークが回る)と、フライス加工(工具が回る)に分けられます。それぞれ、旋盤、フライス盤を使うことになります。まずは、製品がどちらのジャンルに属するかで機械が変ります。

大まかに言うと、製品の外観が回転体のもの→旋盤、四角の組合せのもの→フライス盤になります。 製品によっては、どちらで加工したら効率が良いかわからないものもあります。この辺はどのように加工したら最も効率が良いか?というノウハウがありますので、加工屋さんに相談してみましょう。

製品サイズによる判断

その機械で加工できる最大サイズが、機械の型式になっている場合が多いです。
例えば、弊社のNC旋盤系の場合、

スター精密 SR-20 → Φ20

シチズン L-16 → Φ16

ツガミ B012 → Φ12

という具合です。

マシニングセンタはXYZのストロークがあるので、一概に言えませんが、各軸の中での最大のストロークが型式になっているものもあるので、気をつけてみてみると良いでしょう。

切削加工の機械は全般的に見て、“大は小を兼ねる”というわけに行きません。
例えば、最大加工径がΦ65のNC旋盤で、Φ0.3の微小な部品を加工するには、まず主軸の回転数が足りません。大きな径を回すためには、回転数よりもトルク重視。逆に小径専門では、トルクよりも回転数重視となります。

マシニングセンタでも同じように、XYZのストロークの大きな加工機は、大きなワークを削るので、太い工具を回せるようにトルクの大きな主軸を持っています。これで回転数を上げる事は難しいので、細かな形状を高速に加工することは困難です。
作りたい製品のサイズにフィットする設備を選ぶ事が、高精度化、高速化、コストダウンにもつながります。

要求精度による判断

その機械で出せる精度というのは、メーカー、グレードによって様々ですが、一般的に精度が出し易いタイプ、出しにくいタイプと、前述の分類によってある程度選ぶ事ができます。

まず、旋盤系でいうと、一番精度が出し易いのは、スイス型自動盤になります。
これは、ガイドブッシュによって、加工する工具のすぐそばで材料を押える事ができるので、材料のたわみによる精度の悪化を防げます。それにより、外径の公差0.005以内を狙えるようになります。

フライス盤系で行くと、精度が出し易いのは縦型マシニングセンタになります。
縦型マシニングセンタの中でも金型に使われるような小型・高精度タイプを使うと、ミクロン台の精度を普通に狙うことができます。

また一般的に、大型の機械よりも小型の機械の方が、精度を出す事については有利です。

汎用旋盤・ベンチレース等、旧来の機械を用いても、職人の技術でミクロン台の精度を出してしまう方もいらっしゃいますが、NC機に比べると量産した時の精度の安定性等も含めて考えると厳しくなります。

工具本数による判断

その機械が何本の工具を持てるか?という事は、実は結構重要なポイントになります。 例えば、タップを立てる場合、

センタードリル
ドリル
タップ
と3本の工具を使います。

複雑な加工を行う複合加工機の場合、例えば側面から加工する工具が3本しかもてないとなると、1種類のタップしか加工できないことになります。 同じ工具をうまく使いまわして加工することもテクニックですが、それにも限界があります。

製品がどんな形をしているか?その形を削るのに何種類くらいの工具を使いそうか?どっち方向から何種類の穴を明けるか?等、製品の複雑さによって、工具が何本持てる機械か?という事を考える必要があります。

ここは、各機械メーカーのカタログを参照して、何本工具をもてるか?という事を調べてみると良いでしょう。 マシニングセンタの場合は、ATC(オートツールチェンジャー)で12本とか40本とか60本とか、オプションでもいろいろ選べる事が多いですが、複合加工機の場合は、構造上工具本数が制約される事が多いので気をつける必要があります。

これらの分類・判断基準を踏まえて、御社の作りたい製品はどの設備で作るのが最適か?
その機械はどこの会社が持っているか?と考えていくと良いでしょう。